時計ベルトを仕立てました。
御注文主は長くお付き合いさせていただいているM様。今回は本藍染のクロコダイルをお選びになられました。

ghoeの時計ベルトはお客様の手首、時計、美錠の各所を採寸して、型紙を起こします。
その上で時計本体に合わせた自然な勾配を探るべく試作を行っております。

時計ベルトは他の小物をつくるときとは考える方向性が異なります。
身体に密着する品物ならではの「着け心地」を考える必要があり、
常に肌に触れて脱着も繰り返されるという意味での耐久性も求められます。
つくっていてよく思うことが、時計ベルトの「巻き心地」と鞄の持ち手の「握り心地」との違い。
「手首に巻かれる」「手に持って握る」
似たように見えて人間と革との関係が反対なのです。時計ベルトは部分的に「靴」の要素があるとも言えます。
「なんてことないように見えて上質」を目指しているのですが、水面下では泥臭くじたばたと試作検討を繰り返しております。