東京都 S様

フルオーダーの御注文。大きなリュックサックを製作いたしました。

革はとても厚いブライドルのベンズ。
板のように固い革の、最も繊維が詰まった部位を、裏地をつけない一枚物で仕立てました。
錠前はイタリアに行った際に仕入れたもの。独特の機構で、アンティークも含め他には見たことのない面白い錠前です。

背負い鞄は、本体に対するショルダーストラップの取り付け位置によって、体感の重さが変わります。
背負って軽く、見た目にも美しいバランスを探ります。

口元の脇の部分の革は、鞄を閉じると折りたたまれます。この部分は柔らかさが必要なので柔らかいヌメをつかっております。
この形、元々は中身が外にこぼれ落ちないようにする、軍物からの流れだと聞きます。

東京から工房までお越しくださり、お使いの環境や入れるもの、ご要望を伺いました。
また来ます！というお言葉に甘えて、試作をご覧いただいたり打ち合わせを重ねたり、振り返ると何度もお越しいただきました。
納品後にも、また来ますよ！と仰ってくださいました。楽しみにお待ちしております。