抱鞄(かかえかばん)。書類鞄のクラシックな形で、単に「カカエ」とも呼ばれます。
現在でいうクラッチバッグ(抱える鞄)から、大正時代以降に持ち手が付いて手提げになったが名称そのまま、といった歴史のようです。
長くお付き合いくださっているK様のご注文で、今回は本藍染エレファントをお選びいただきました。
素朴で力強いゾウ革の質感に、細かいピッチの手縫いのステッチと真鍮錠前がよく映えます。
検討図と試作。今回も芯と裏打ちの試行にたくさん時間をかけました。
内装はボックスカーフ。
外も内も、一枚の革を繋ぎ目なく一周させる贅沢なつくりです。
革の持つ力を最大限引き出す仕立てを目指しています。
単純な耐久性を求めるだけでなく、長く美しくお使いいただける品物であるように。
自分にできることを全てしたいと考えています。無い頭を捻り、試作を重ねてベストを探っております。