NOTE

2018-01-28Filter |
古い煙草入れ

煙草入れ。明治初期の品とのことです。
数ヶ月前に拝見して以来、ずっと頭から離れません。

小さな品物で非常に複雑な仕立てなのに、
少しも無理を感じさせず、圧倒的に綺麗。
自然にさり気なく、平気で作ってるような仕上がり。

側面の縫製、コバ、見たことのない仕立てです。
ふと思い出しては写真を眺めているのですが、
どのような組み立て方なのかわかりません…。

凄い仕事です。良い職人が居たんだなぁ。
持ち主も大切に使っていたんだろうなぁ。粋だなぁ。

こういう品物を見ると、只々憧れてしまいます。
仕事に対する敬意は勿論、使われていた環境にも思いを馳せ、
純粋な心持ちになります。

…でも、もし同じ仕立てのものが手に入れば、
きっと 分解してしまうんだろうなぁ。

■2018.6 追記

閑清縫い(かんせいぬい)という縫い方の一種とのことです。

革漉き機が伝来していない明治維新以前は、
このような仕立てが存在したとのこと。帯状の革を鉋でピっと漉いて縫い込む仕立て。

現代では考えられないほど、全てが細かい。
わかりやすいところで、縫い目のピッチで比べると、現代の手縫いは一般的に細かくても一寸(3.3cm)に14目程度。
当時の細かいものは26〜28目。
細かいのはピッチだけではない。具体的な仕立てでなく、そもそもの設計思想が繊細。顕微鏡の世界。そして美しく調和がとれている。

日本独自の革文化は、江戸中期に発展し、明治になって西洋の文化に触れて、混沌の時代を迎えたと聞く。
そのあたりの年代に興味があります。
お詳しい方、ぜひお話聞かせてください。

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